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執筆者の写真五十嵐 直樹

フリースクール×空き家活用 地域課題解決事業③

今回は資金計画について解説します。

初めての不動産賃貸業ですから、何もかも始めて尽くしでしたが、何度もシュミレーションをして計画を練りました。


【計画全体の収支計画】


[収入の部]

資金調達:けんしんさんから800万円借り入れ(金利1.8%、10年返済)

自己資金:105万円

総予算:905万円


[支出の部]

物件購入費:510万円

仲介手数料:23万円

所有権移転、抵当権設定:22万円

担保設定手数料:4万円

不動産取得税:6万円(仮)

予定改装費:340万円(ほぼ原価)

合計投資額:905万円


[運用後の収入]

家賃:10万円/月 年120万円


[運用後の支出]

借入金利:額は残金により変動

火災保険:1.5万円/年

固定資産税:

管理費:3% = 3万円/月 年36万円

修繕費:7% = 7万円/月 年84万円


という感じです。

ちなみに、この中で【改装費】については自社で行いますから、基本的にはほぼ原価です。

一般的な流れだと工務店などに依頼しますから、当然ここに利益が上乗せされます。


これらの数字を当てはめて、長期での収支計画をエクセルでまとめると

このような試算結果になります。


少し見づらくてすみません。単位が×1,000円なので、5,100→510万円という風に頑張って脳内変換してください。


【投資案件としては厳しい収支計画】


一番上が上記した条件での金額設定です。

収入の欄は、月10万円の家賃収入×12ヵ月で年間120万円、それが続くと仮定します①。

支出の欄は、管理費3%、修繕費7%、借入金利1.8%、そしてその他の支出とは火災保険料と固定資産税の合計です。

ここまでの支出計が②、という事で①ー②が最初の収支計となります。

そこから借入金の元本返済③を引いた金額がその年の手残り金額となり、その累計が④の金額になります。


これはあくまでも試算なので、実際に管理費や修繕費がこの通りに行くとは限りません。が、試算しないと何も判断が出来ませんので、なるべく実情に近い形で試算を行ってみています。


その結果、数字を見てみると初年度の手残りが88、000円/年となります。月で割ったら約7,300円。はい、厳しいですね(笑)

2年目からは返済も進みますので少しづつ金利も下がり、手残りも増えていきます。

そして10年目で借入金の返済を終えれば、その分一気に手残り金額も増えますね。


ただし、最初に自己資金として105万円を投資していますから、10年目の累計手残りの153万円ー105万円=48万円が10年かけての利益、という事になる訳です。

皆さんから見て、この数字はどうでしょうか?

利益出てるからいいじゃん!なのか、いやいや10年かけてこれだけ?なのか、人それぞれだと思います。

もちろん借入先の銀行もこれらの資料を元に融資を行えるのかどうか、判断する訳です。向こうもビジネスですから当然この計画で損をするような事は絶対にしませんよね。


今回の計画でなかなか融資に苦労したのは、この通り試算結果によってギリギリ利益が出るかどうか際どいラインだった為、すんなりとは審査が通らなかったのです。

それでもどうにかこうにか我々側に立って審査する本部側と交渉をして下さったけんしん寺尾東支店の倉島支店長さんには本当に感謝しております。


【普段のリフォーム業との比較】


上記の条件では、工事費はほぼ原価だとお伝えしました。

これが例えばいつものカタチで施主から依頼を受けたとします。

一般的なリフォーム工事の利益として、30%はないとなかなか厳しいと思いますので、工事費の30%が利益と仮定しましょう。

改装費:原価340万円÷0.7=約485万円(485万円の30%が利益、という考え方なので0.7で割っています)

という事は、485ー340=145万円の粗利が一般的なリフォーム工事の利益と言えますね。


ではこの145万円を稼がないと、弊社も経営的に厳しい訳です。

実際には投資した105万円+145万円=250万円の利益を上げなければいけません。

試算表の手残り累計を見ると、11年目で255万円とありますから、最低でも11年間この条件が続けばようやく普段のリフォーム工事を請けた利益と同じだけの収益があげられる、と考えられます。

恐らく実際にはもう少し変動もありますから、12年目が妥当なラインと言えるでしょう。


片や半年~1年程度で同じだけの利益を上げられる訳ですが、その回収期間が長くなればなるほど様々なリスクも増えてきます。

不動産投資という視点で見れば、そのリスクを下げ収益を最大化させるには

①物件取得費を下げる

②改装費を下げる

③運用コストを下げる

④家賃収入を上げる

事が大本命であると言えます。


今回の計画に当てはめると

①は交渉してみたものの、思ったほどの値下げは出来ませんでした。この詳細についてはまた改めて解説します。

②は自社で工事が出来る訳ですから、OK

③についても自社管理の為、OK

そして④の家賃についてですが、もちろん上げることができれば簡単です。

ですが、今回は家賃をなるべく上げたくなかったんです。


という事でその理由は、また次回に。



 

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